弊社は令和5年(2023年)度より、愛媛県が主催する「愛媛県内周遊旅行対応ガイド育成講座」を受託し、愛媛県内及び周辺地域に在住しているインバウンドガイドを育成する講座を実施いたしました。2年目となる令和6年(2024年)度は、ガイドに向けた研修講座だけではなく、愛媛県の観光事業者を交えた情報交換会も行い、地域の観光産業の活性化の一助となるべく、事業を推進いたしました。

高まるインバウンドガイドの重要性
「愛媛県内周遊旅行対応ガイド育成講座」は、今般のインバウンドニーズに応え、愛媛県内を訪問し、県内を周遊する外国人旅行客に対応する英語ガイドを育成することを目的として愛媛県が主催し、令和5年度から引き続き2年連続で募集から実施まで弊社が担当しております。一定の英語の語学力を持つ愛媛県及び周辺地域に在住する方で、通訳案内士の資格保有者に限らず、インバウンドガイドを目指す方や興味を持つ方を対象に実施いたしました。
〇オンラインでの座学講座
令和6年度は、4つの座学講座を実施いたしました。受講生は在住場所もガイドとしての経験も様々であるため、インバウンドガイドの基礎から愛媛県内でガイドとして活躍する際に役立つ現地情報などを5名の講師に紹介いただきました。中でも、普段は聞く機会のない道後温泉の保存修理工事のストーリーを、実際の工事に携わった当事者の方から聞く貴重な機会も創出することができました。外国人ゲストをご案内する際はストーリーを大切にガイディングすることはお客様の満足度にもつながる重要なポイントですが、こうした貴重なお話は今後のガイディングにも活用いただける内容としていただけたと感じています。
〇インプットとアウトプットのバランスを重視した実地研修
本事業では実地研修に定員を設け、県内の観光スポットを実際に周遊する実地研修も行いました。令和6年度は松山と今治を選択し、愛媛県に拠点を置く旅行会社の方を講師に迎え、下見を兼ねながら各スポットを紹介いただき、また、小グループに分かれて英語での模擬ガイディングも実施。受講生同士のガイディングの様子を参考にしながら、自身が描くガイド像にどうすれば近づけるかという実践の場となりました。
〇観光事業者との情報交換会
事業の最後には、実地研修の受講生と愛媛県の観光産業に携わる観光事業者を交えた情報交換会を開催いたしました。観光事業者がどのように地域を盛り上げようと尽力しているかを知る機会となり、また、受講生が事業後にガイドとして活躍するためのきっかけ作りの場となり、双方より今後もこのような機会を設けてもらいたいという声が届きました。
<参加者の声>
「今シーズンから副業でガイド業務を開始する予定です。ガイディングスキルに不安があり、研修に参加させていただきました。講座がとても参考になり、自分がやるべきことがクリアになりました。」
「事前に十分な知識を身に着け、十分な下見の実施が必要不可欠と思いました。経験を積んでいき、余裕をもってガイドできるようになりたい、と分かりました。」
「講師の知識の深さに触発され、私もまだまだ学ばねばと感じました。知識がないと話せないということを改めて認識しました。そして講師がおっしゃっていたようにその上でのストーリーづくりを心がけたいと思います。」



令和6年度は前年を大きく上回る方の応募が届き、愛媛県で外国人旅行客に対するガイディングスキル向上のニーズが高いことが伺えました。アウトプットを重視する研修であるため定員を設けることが必須でありましたが、今後もこのような形でより多くの方にインバウンドガイドとして活躍するきっかけを提供できるよう、邁進して参ります。