令和6年度「せとうち地域周遊ルートに対応するスルーガイド育成・認定事業」を実施いたしました<レポート>

外国人旅行客が年々増える中、外国人にはあまり知られていない地域の魅力を伝え、足を運んでもらうことをミッションにしている弊社では、様々な自治体やDMO様と協業をし、地域の魅力向上や受け入れ体制の整備を行わせていただいております。
その中で、弊社はせとうち観光推進機構(以下、せとうちDMO)主催のインバウンドガイドを育成する「せとうち地域周遊ルートに対応する スルーガイド育成・認定事業」を受託事業者様(株)IGLOOOとの連携のもと、2022年度(令和4年)から担当させていただいており、本年度も実施いたしました。

外国人旅行客にせとうち7県を案内するスルーガイドの育成を目指す

本事業を主催するせとうちDMOは、せとうちエリア7県(兵庫県・岡山県・広島県・山口県・徳島県・香川県・愛媛県)が合同してせとうち全体の観光ブランド化を推進しております。せとうちDMOが情報発信・マーケティングプロモーション・プロダクト開発支援など、様々な形でせとうちエリアの観光産業を活性化している中、弊社はインバウンドガイドを育成する事業を3年間連続して担当させていただいております。
研修では、訪日外国人の富裕層をターゲットとしてせとうちDMOが造成した23のモデルルートの中から4つを選択し、インバウンドガイドとして必要な基礎知識や地域及びルート上の各スポットに関する知識を学び、実際にルートを巡りながらガイドトレーニングを行います。また、旅行会社との交流の場も設け、研修後、ガイドとして活躍するために必要なきっかけ作りを創出しております。

本年度は実際のツアーに近い環境での実地研修を実施

事業の柱となるのは、アウトプットを重視した実地研修。今年度は日本に住む外国人をツアーのゲスト役として迎え入れ、実際のツアーのような環境で研修を実施いたしました。各ルートは団体として見学するスポット、受講生がガイドとしてゲスト役を案内するスポット、体験を楽しむスポットなどで2泊3日の行程を組み、受講生には毎日異なるゲスト役を1対1でサポートいただきました。

本年度の実地研修のルート:
①北ルート:広島(尾道、瀬戸田、広島市)⇒山口(岩国、湯田温泉、秋吉台)
②南ルート:兵庫(淡路)⇒徳島(徳島、藍住、美馬)⇒香川(高松、直島)
③東ルート:兵庫(神戸、灘)⇒徳島(鳴門)⇒香川(高松)⇒岡山(倉敷、伊部、岡山市)
④西ルート:愛媛(松山、今治)⇒広島(瀬戸田、尾道、広島市、宮島)⇒山口(岩国)

<参加者の声>
「講師をはじめ、研修のほとんどが英語で行われたことは、大変刺激になりました。」
「毎日違うゲストをご案内し、話し方のコツなど沢山学びがありました。準備はタフですが、私自身3日間学びが多く、楽しかったです!」
「今回ご一緒させて頂いた他のガイドの方々からも多くの学びがあり、自分の足りない所や改善点を知ることができました。皆、協力的で助け合って良いつながりができました。」

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本事業を通して、通訳ガイドを認定

本事業は、通訳ガイドへの研修の機会にとどまらず、認定制度を導入しており、一定の評価基準を満たした受講生を「せとうちスルーガイド」として認定しております。認定された通訳ガイドは、せとうち観光推進機構が運営するせとうち旅行ガイドサイト「SETOUCHI REFLECTION TRIP」(英語)にて紹介され、せとうちエリアでガイドを求めている旅行会社に向けたガイドリストを提供させていただいております。
また、本事業では、海外からのインバウンドツアーの受け入れを多く対応されている日本各地の旅行会社やDMCのスタッフの方々にもご参加いただきました。ゲストの対応をするガイドとのコネクションを求める皆様と、参加したガイドとの関係性構築にも貢献できたと考えております。

<本事業に参加した旅行会社様からのお声>
「ほとんどのガイドが良い英語で、自信とフレンドリーさを兼ね揃えていました。」
「ガイド様の方がレベルが高かったように見受けられました。ご縁があればそういった方に是非弊社の研修なども受けて頂きたいと思いました。」

現在、毎月のように訪日外国人数が過去最多を記録するほど多くの外国人が日本へ来られており、全国的にインバウンド対応ができるガイドが不足しております。これまで知識を培うためのガイド研修は多く実施されていると思いますが、今後は本事業のように実践機会の多い研修がより重要となってくると感じており、弊社はこれまで培ったインバウンド業界のネットワークや事業実績を活かして、訪日外国人が「また会いたい」と思っていただけるような通訳ガイド人材の育成に継続的に取り組んで参りたいと思います。